先輩が大遅刻、あわや…。
神戸のレストランでは寮生活でした。
寮と言っても一般のアパートを借り上げて寮にしている所だったのでもちろん食事とか出ません。
食事はレストランでもちろん食べれるのですが、それは小さな仕出し弁当。
ディナーの営業前に食べるんですが、まぁ営業が終わるとお腹すいてお腹すいて。
つい、レストランから寮まで歩く途中にある吉野家に吸い込まれてしまいます。
しかも、大盛りに山盛りの生姜と生卵を載せて食べてました。
私は、ここで何年かしたら東京へ行こうって思っていたので、とにかく節約しなきゃって思ってたんです。
手取りで6万6千円だったのですが、その中で3万円は貯めとこうって思ってたんです。
3万は貯金、そして1万円の予算を取って月一回はレストランに勉強がてら食べ行こうって思うと、月に使えるお金は2万6千円です。
まぁ、毎日吉野家ばかりは行けないので、たまにキッチンの人に冷凍のパンをもらって、スーパーで安いマーガリン買ってみんなでバゲットパーティーだぁーって楽しんでしました。
それに、休みの日にキッチンに手伝わしてもらってもいいですか?って入ると余った料理とか食べれて良かったです。
そんなぎりぎりの生活もも楽しいもんです。
寮の部屋は先輩と2人部屋でした。
ある朝、先輩がまだ寝ていて、今日は休みなのかなって思って私はそのまま出勤したんです。
するとその先輩、出勤だったんです。
大遅刻。
「なんで起こしてくれへんかったんや」って少し怒ってはいなかったけど言ってました。
私は、休みかと思ってましたって。
その先輩。
出勤してすぐ、一番上の「メートル」の人に遅刻を誤りに行ったそうなんです。
「メートル」って「メートル・ドテル」って言ってレストランのホールで一番偉い人のことです。
ちなみに、私は「コミ」って一番したでした。(あたりまえですが)
そこで、その先輩がメートルの人にこう言われたそうです。
「おまえ、みんなにお世話になりました、って言ってきたんか?」
先輩は謝り倒して、許してもらったそうです。
今だったらそんなこと言ったら大変ですが。
今にして思えば、そのメートルの人の優しさですね。
もちろん、辞めさせようとしてなかったと思うし、その先輩の事を思って一番強い言い方で教えたんだと思います。
私にも響きましたから。
そのまま、遅刻を、いいよいいよって言っていたら、その会社は問題なくても。
その人はきっとなぁなぁになってダメになる。
その人の未来を考えて、ダメな事をちゃんと叱ってあげる事も重要な事です。
私はそれを聞いて「とても重要で大切なこと」だって思いました。
今でも、それが頭に残ってます。
何かを教えるのとか伝えるのは難しいと思います。
私たちがやらねければいけないのが。
「誰かに教えれるように教える事」です。
自分だけが覚えても、それを伝えられなければそこで終わり。
自分が覚えた事を、誰かに伝えて初めてその仕事は覚えたことになるんだと思います。
この投稿へのコメント
私は誰かに教えることで、自分の仕事っぷりも見直しができると思っていました。何より、自分が手を抜かないように!でも、教えられた人が、また誰かに教えることを考えが及びませんでした。なるほど。そうして、様々なことが引き継がれていくことは素敵ですね。相手を思って叱ったり褒めたりする事は、厳しくても心に響くと思いました。
始まりと終わりの形が同じなんだろうと思います。
以前に水泳を教えてもらった時もクロールの手の形の終わりが始める時の形だったり、ロードバイクのペダルの位置の終わりが始まりと同じだったりと。
その作業の最後が始まりと同じが理想だろうと思いました。
何かを伝えてもらった時の最後はそれを伝えた所で完成形なのだろうと思っています。
それに、誰かに伝えている時こそより理解が深まりますよね。