大阪で2年半が過ぎた頃!
洋菓子店で一年間だけ働いて、パティシエの仕事を憶えたら、「また料理へ戻ろう」。
そう考えて、洋菓子店へ進んだのですが、
一年で全体的には覚えてきたのですが、
実際には、なんとなく少し仕事が見えてきたのかな?の危うい感じ程度。
それで、今はまだ早いな中途半端すぎる。
そう考えて。そのまま続行。
すると、だんだんとこのまましばらく「パティシエの仕事」をやりたい。
そう考えるようになっていました。
それで、働き出して2年半後。
別の所で働きたい。
それは、新宿中村屋にあった「グロリエッテ」とうい名前のお店です。
そう思うようになりました。
それは以前、友人たちと見ていた「シェフシリーズ」って本を見たからです。
そこには今は新百合ヶ丘で「リリエンベルグ」ってって超有名なお店をやられている横溝シェフがおられたからです。
私はどうしてもそこに行きたくて。
その気持ちが抑えられなくて。
ある朝。
確かその朝、チーフが出勤した時に、喫茶コーナーのカウンターに座って新聞を読みはじまました。
まだ他の人は誰も出勤していない時間でした。
そこで私は話を切り出しました。
「東京へ行ってグロリエッテの横溝さんの所で働きたいです、紹介してください。」
もちろんためらいもありましたが、ちゃんと話しました。
すると、チーフは、なんて言ったか言葉を覚えていないのですが、
「わかったなんとかする。」に近い事を言ってくれて話は数分で終わった気がします。
私は知っていました、
大阪の洋菓子店のチーフが以前働いていたお店が神田の「エスワイル」ってお店なんです。
横溝さんが若い頃に働かれていたお店が同じだったって事を。
もちろん働いている期間がかぶってはいなかったと思います。
それで正面から話してみたんです。
今にしてその立場で考えれば、チーフはどう思ったんだろう。
あまり人数の多い店でも無かったし、ある意味では辛かったと思う。
でも正面切って言われるともちろん耳を貸すしかない。
それも、ネガテイブな決断ではなくポジテイブな決断をしている。
OKと言うしかない、未来を信じて見送るしかない。
そう思ったんだろうなと逆の立場で思います。
仕事をいろいろ教わった上に、わがままを聞いてもらってほんと感謝です。
私が22歳の頃です。