新宿の洋菓子店時代 「一つの失敗は100倍のガッカリを生んでしまう。」

ある時の事。

私の焼いたザッハートルテの生地の状態が良くなくて落ちていた感じだったんです。

それも10台。

私は当時自分でも、焼き上がりに状態で生地が少し落ちてるな、でもこれくらいなら「ギリギリ大丈夫」なって思い。

そのままにしていました。

焼きあがった生地をシェフが見て言われました。

「これよう、10カットだから10台だと100人の口に入るんだぞ」

ハッとしました。

100人の人が「いつもと違う」きっとそう思いがっかりする。

もしかしたら、そのお客さんはもう買ってくれないかもしれない。

今まで美味しいと思ってくれていたお客さんが「私の焼いたザッハ」を食べてがっかりしてもう来てくれなくなっていたかもしれない。

私も含めて一人一人がとても重要。

それにちゃんと意識する事が重要。

焼きあがった生地がいまいち良くなかったとして。

それをそのままOKと判断してあると、

仕上げる人が気づいて「これはダメだ」と言ってくれれば良いのだが。

出来ているものは大丈夫な気がしてしまう。

そこで意識しない場合、そのまま仕上げてしまうかもしれない。

なんとなくで何かをするのなら、やらない方がいい。

やるなら、ちゃんとやらないと全部台無しにしてしまう。

そう強く感じました。